ギルガメッシュ サディスティックインタビュー


  1. ──アルバム『GO』をリリースして、ツアー「Here we go!!
    をZepp Tokyoで締め括った後、どういう時間を過ごしていましたか?


    左迅:結成当初からZepp Tokyoまで休みなく走ってきて、一回ギルガメッシュっていうものを見つめ直そうっていうことになって。メンバー4人が納得出来る作品を作って、これだ!っていうものが生まれたらCDを出そうっていうことになったから、ひとりひとりがギルガメッシュって何なんだろう?って考えて、ミーティングを重ねて……っていうのをずっとしてました。


    ──そこで出た結論ってどういうものだったんですか?

    左迅:ギルガメッシュっていうのは、不可能とされていることを可能にしてやるんだっていう反骨精神だったり、明確な敵がいると力が漲るバンドだよなって。それをみんなで“やっぱりそうだよな”って再確認した感じでしたね。


    ──その話し合いをしてる期間って精神的にどうでしたか?

    左迅:やっぱり目指すところが明確じゃなかったから多少なりとも不安はあったんで、それ埋めるために、ライヴをすごい見に行ってました。


    ──自分達がしていなかった分、ライヴに飢えてたところも?

    左迅:そうですね。飢えてました。その状態でライヴを見るから余計にやりたくなるし、ホントにいろんなものが溜まりに溜まってた時期だったんで。


    ──ぶっちゃけた話、腐ったりしましたか?

    左迅:腐りそうでした(苦笑)。ライヴハウスに行ってなかったら多分腐ってたと思うし、そうなるのが怖くてずっと音楽に触れてたんじゃないですかね。月の半分以上はライヴハウスに居たんですよ。そこで笑顔になってるお客さんだったり、熱い思いを伝えてるバンドを見たりとかして、バンド結成当初に燃えたぎってたものを刺激されたというか。結成当初ってバンドが好きで、音楽が好きで、歌いたいから歌うっていう感じだったんですけど、8年もやってると決められたローテーションの中で動いてる感じがやっぱりあって。それはしょうがないことなんですけど、それが続くとやっぱりマンネリ化するから。なんか、リセットじゃないですけど、そうやって人のライヴを見ることで、自分の気持ちを再確認出来たのは良かったですね。そこがやっぱり一番大事だったと思うんで。


    ──愁さんはどうでしたか?

    愁:個人的にもポジション的にも、大まかなスケジュールプランニングをするのが好きだったから、“未来を描けぬまま今をどう過ごせばいいんだ?”っていうのはあって。なんか、明確な目的を持って結成されたバンドと、僕らみたいなバンドって違うと思うんですよ。僕らは地元の友達同士で集まってバンドを始めて、良い曲が出来た、ライヴをやりたい、じゃあどうしたらいいんだろう?って自分達で1から調べて活動してて。そこからワンマンをやろうっていう目標が出来て、そこに向けてバーンって走る。それで次はSHIBUYA-AXだ、Zepp Tokyoだってなったときに、そこから先って分かれ道になると思うんですよ。やっぱりZepp Tokyoって特別な場所だと思っていて。“Zepp Tokyoでやれたからもういい”って思う人もいるかもしれないし、その先の武道館、東京ドームでやりたいって思う人もいるだろうし。そういう部分も含めて、それこそ左迅君が言ってた敵じゃないけど、明確な目的をもう一度作ろうって。でも、その話し合いをしてた時期はやっぱり不安でした。ちょっと志が弱いメンバーが居たら、このバンドは終わるんだろうなっていうところまで話し合ったから。“自分達は本当にどうしたいのか?”っていうのをメンバー4人だけで積み上げて行った感じで。


    ──そこは4人だけで話し合ったんですね。

    愁:良くも悪くも結果はやっぱりメンバーに返ってくるじゃないですか。事務所とかレーベルとかいろいろあるとしても、4人がしっかりしていればどこにいても変わらないと思うんですよ。バンドに確固たる目的と意思があれば、どんな状態でも頑張っていけると思うんで。


    ──なるほど。じゃあ「絶頂BANG!!」は、ギルガメッシュというものを見つめ直して生まれた作品なんですね。言ってみれば、原点回帰をした作品であると。

    愁:そうですね。とにかく“良い曲を作ろう”っていうザックリとしたお題があったんですけど、“良い曲って何なのか?”って人によって違うし、それが“誰にとっての良い曲なのか?”っていうのも違うじゃないですか。お客さんなのか、事務所なのか、メンバーなのか。そういうところまで話し合ったんですよ。結果的にはメンバー4人がこれだ!っていうものを、何十曲もあるデモの中から選んだんですけど。

    左迅:原点回帰っていう部分でいうと、リリースが決まってから作るんじゃなくて、みんながいいねっていう曲が出来たら出そうっていう、そこの部分はすごい原点回帰というか。CDを出すっていうことにおいて一番大事な部分なのかなって思いましたね。


    ──ただ、原点回帰はすごく感じたんですけど、“なんでCDジャケットが侍なの!? そもそもこの人達って昔スーツ着てなかった!?”みたいな。

    左迅:あぁ(苦笑)。


    ──そういう戸惑いみたいなものがリスナーにはあると思うんです。

    左迅:これは愁が持って来た案で、今年は「サディスティックイヤー」っていう“攻めのギルガメッシュ”を謳っている年でもあるから、何かと戦うギルガメッシュっていうのをイメージしたときに「戦う=侍」だなと(笑)。やっぱりインパクトもあるし、日本人の魂っていう部分でも「侍」っていうのはすごく大きいものだと思うので。だから「決意」っていうんですかね。ギルガメッシュがこれから戦って行く決意だったりとか、“やってやんぞ!”っていうものが凝縮されたジャケットになってて。

    愁:固定概念をすごく壊したかったんですよ。僕も左迅君がライヴハウスに行ってたように、多種多様なジャンル、人種、老若男女問わず、たくさんの人達と喋ったんです。そうしないと自分が分からなくなるというか、家にひとりで居ると内に入って行っちゃうんで。そこでいろんな人達と話したときに、ミュージシャンの自分が作る固定概念ってすごくちっぽけだなと思って。今までのCDジャケットって“こんな曲だからこんな感じ”みたいに、頭の中にボンヤリとある固定概念みたいなもので作っていて。でも、それって誰しも想像できることであって、ちょっとつまんないなと思ったんですよね。当時は最高にカッコイイものだと思って作ってたんですけど、今回は楽曲のイメージとか一切関係なく、今の自分達の志をジャケットに込めた方が良いと思って。

    左迅:無難に終わりたくないんですよ。無難って文字の通り“難が無い”わけじゃないですか。でも、難が有ると“有り難う(ありがとう)”っていう字になるわけで。そういうとっかかりだったり、ツッコミどころがないと何も生まれないなってすごい思うので。間違っててもいいから、何か人の心に残るような部分があった方が、俺らの音楽は響くんじゃないかなって思いますね。


    ──歌詞に関してはどうですか?

    左迅:震災以降にみんなが暗くなってることに対して、こんなんじゃ治るものも治んねぇよって思ってて。自粛自粛で居酒屋が潰れたりとか、そんなんじゃダメだろ?って。苦しいときこそみんなで手を取り合って頑張っていかなきゃいけないんじゃない?っていうのが元々のニュアンスだったんです。そこからプロデューサーのTAKUYAさんからアドバイスをもらって書き直したんですけど、見直してみると、自分達のバンドへの決意だったりとか、“俺達はこうあるべきだ!”っていうことを歌ってるなって。あの時に溜まっていたものがそのまま自然と出たんだろうなって思いました。


    ──先ほど話にも出ましたけど、今年は「サディスティックイヤー」と称して活動されてます。例えば先日の「東京Sadistic~ぶっとおし13days~」みたいな、かなりハードな企画が多いですけど、何故そこまで自分達を追い込むんですか?

    左迅:やっぱりロックバンドってインパクトが大事だと思うんですよ。自分が高校生の頃に見てたバンドって、CD聴いてもライヴ見てもインパクトがあったし、そういう驚きってやっぱり大事だよねっていうことを話していて。音楽業界も衰退して行って、CDも売れなくなってる状況で、そういう企画力だったり、インパクトで引っ張って行くっていうのはすごい大事だなって。「13days」も“13日間連続でライヴやったらインパクトあるんじゃね?”っていうところから始まったものでもあるんで。そういう驚きをこれからも与え続けていきたいなって。


    ──ただ、そういうインパクトを求めすぎると、いろいろ誤解が生まれることもあると思うんですよ。例えばTVに出て芸人さんと絡んだり、音楽とは関係ない部分でバンドが動く場面も出てくると思うんです。それに対して“こいつらブレてんじゃね?”って思われる可能性もあると思うんですね。

    左迅:でも、ギルガメッシュって挑戦するバンドだと思うんですよ。“挑戦して後悔するなら良い”って俺は思ってて。やらないで後悔するのが一番イラっとくるんですよ(笑)。やって後悔してもそこで何らかの答えは出るじゃないですか。でも、やらなかったら答えもないし、それを後悔したところでもう取り戻せないから。自分が“これはないな”って思ったらやらないけど、その先に何かがあると思ったらどんなことでも挑戦していきたいと思うんで。人生一回きりだから、そこで可能性を潰すことの方がバカげてると思うし。


    ──昔は挑戦することが怖かった部分もありましたか?

    左迅:ありました。多分それは自信がなかったんですよ。自分に自信がないと、殻にこもりがちだし、失敗したらどうしようって考えると思うんですけど、やっぱり自信がついてくればくるほど、いろんなものに手を出したくなるというか。13日間歌いきったのはやっぱり自信になったし、そういう意味ではいろんなことをしたくなるのは自信の表れなんじゃないですかね。だから選択肢を狭めずに、やりてぇことはやればいいじゃねえかっていう感じです。


    ──愁さんは何故そこまで追い込むんですか?

    愁:守りが嫌だからです!っていうのが単刀直入な答えですね。左迅君も言ってたけど、「13days」って本当に雑談から始まったんですよ。“やっちゃえばいいんじゃない?”みたいな。


    ──本当にポップに決まったんですね(笑)。

    愁:ただ、それを決めてからは本当に真剣に考えたんですよ。“バカなことをマジメにやろう”って。それって、すごい生まれるものがあるなと僕は思ってて。本当にバカげた企画を本気でやることによって何かが生まれることを信じて、「13days」の内容をみんなで考えたんです。そこにはファンへの想いもあるんですよ。結成したときは4人のバンドだったけど、今はそうじゃない状況でもあって。かと言ってそこに気を遣ってばかりいると、バンドの本質がブレる可能性もある。だから、4人がカッコイイと思ったスタイルや楽曲っていうバンドの本質がしっかりしていれば、何をやってもみんなにちゃんと届くし、ちゃんと響くって僕は信じてて。それが「サディスティック」なんですよ。ファンのみんなが“ギルガメッシュってホントにカッコイイ!”って、どこに居ても言えるようなバンドに俺らはなるって本当に思ってるし、だからこそ攻めて行きたいんですよ。「サディスティック」って8文字ぐらいの言葉ですけど、そこにはそれぐらいの想いがあるんです。